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第二十一章;「夜中に髪を切る」


 寝たら起きた。夜中に髪を切る。所要時間5分。バタートーストを焼き、きゅうりを生ハムで包み、胡椒をひいて食べる。ブラック・ティーを淹れる。指先は冷たく、外はやたらと眩しい。数日前、唇を噛んでしまった場所が食事の度にズキズキと痛む(鏡をみたら腫れていた)。年末のクラヴやら飲み会の誘いを全て蹴る。家でのんびりと読書でもしようと考える。今日は8冊買うつもりだ。運動不足は身体が鈍るのでチャリにも乗ろう(月間40km超を今月は達成していない)。友達の家に行くたびに、自分の部屋がやけに殺風景な事に気付かされる。人というものは物に囲まれて生活しているのだ。自分は出来るだけ物を置かないようにしているのだが、それを突き詰めるとこうなるらしい。もう少し家具を増やしてみようかと部屋を眺める。マシンのメンテ。何やら重大なエラーとやらが出る。全て修正する。結局5時間取られる。そろそろバックアップを取らなければ。海の向こうの彼女はその間に眠ってしまった。見知らぬ相手からの、定期的に送られてくる長いメールを読む。レスを考えるがさっぱり浮かばないので、思いつくままに打つ事にする。そもそもメールにレスは必要なんだろうか?(手紙の始まりはそもそも一方的にやってくる)文章というものは考えると途端に書けなくなるので、呼吸するようにただタイピングする事を思う。が、うまくいかないのが常だ。CDをiTunesにコピーする。計30枚程。耳慣れない音がスピーカーから流れ出す瞬間が好きだ。そのまましばらく浮遊する。ところで、同じ属性を持つ他人というものは、様々な前提を必要としないので気が楽だ。そしてそれをお互い直感的に嗅ぎ取るので、共犯者めいた空気が生まれる。今年はそういう空気を持つ人々と出遇えたので良かった。ああ、今週末はもう“来年”なんだなあと不思議な気分になる。
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