© harumaki
Copyright All Rights Reserved.
第九章;「who ahh U?」
寝たら起きた。隣には誰もいなかった。外は灰色で、雲の切れ間から時々光が射していた。午後になると雨が降り、こんな天気だというのに何処かで建物の解体作業が始まった──轟音、それから轟音。本を整理し、部屋を片付ける。洗面台を磨く。猫をベランダに連れ出す。楽しみにしていたイベントが流れた。来年?そんな遙か先の事なんか判らない、とスケジュールを聞いて途方に暮れる。ケータイが6回鳴る。レスを打つ。途中で面倒になってケータイをテーブルに投げ出す。外は更に激しい雨が降り出した。雨が続くとエアプランツがやけに増殖するようだ(籠から飛び出しつつある)。黒い天使と白い天使が階段で出会うシーンを眺める。グレーゾーンと曖昧を使い分けていたら見事に失敗した。「要するに停滞が耐えられなくて、退屈が死ぬほど怖いんだね」と思わず電話口で云いそうになる。久し振りに手にした新刊は掴んだら瞬時に落下してゆく砂粒を思わせた。パスワードを何度入力しても駄目になっていたので久々にアレをする──無事、ログイン成功。外はまだ雨が降り続いている。
見たことのない電話番号がケータイに表示されてた。番号からネットで検索したら、スリランカのコロンボからの国際電話だった。僕にはスリランカ人の知り合いなんかいない。
寝たら起きた。人間のコレクションをしてる人を見つけた。ネットはそれが視覚的に見えるから或る意味怖ろしい場所だと思った。自分はそういう人間とは一切関わりたくないと思ったので、それを行動に移すことにする。最低限の礼節を失って、どうやってそこから人と関わるのだろうと思った。人間はチェスの駒じゃない。難しい感情を解りやすい言葉で語る術が欲しいと思った。贅肉のようなスキルは要らないと思った。
紅茶は赤くて美しい飲み物だ。後半からいきなり飛翔するみたいな音楽を聴いた。遠くで鳥が啼いていた。
>> NEXT PAGE
|
|