君が現れたのは・・・僕の目の錯覚ですか?
あなたと2人で・・・8
「クロト!!!やめろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
「っ!?」
突然視界に入ってきたのは、あなた。
僕に駆け寄って、僕の腕を掴んだ。
とても力強くて・・・痛くて・・・でも愛してる・・・。
そんな大きな手で僕の頭にあった、鉄の塊を取ろうとした。
だけど・・・・僕は、それを取らせなかった。
っと言うより、手が氷のように固まって、取れなかった。
そして、勝手に、僕の指が引き金を引いた。
バーン!
何が起こったのかわかんなかった。
突然僕の視界は真っ赤になって、さっきまで力強く握っていた手が
するりと力なく、僕の腕から抜けた。
そして、さっきまで立っていたあなたは、ユラリっと地面に崩れた。
「あ・・・ひぃ・・あ・・・オル・・・がぁ?」
何がなんだかわからない。
僕は床に崩れたあなたを見て、涙が止まらなかった。
真っ赤な、真っ赤な赤い液体が、床にじわじわと広がっていく。
ーーナニガオキタノ??
僕は理解できなかった・・・嫌、理解したくなかったんだ。
僕が引き金を引こうとした瞬間、オルガが眼前に飛び込んできて
いきなり、僕が銃を持っている手をつかみ、もう1つの手で力強く
僕が握っている、銃を外そうとした。
でも、手が固まっていて、僕は手が震えて、涙がいっぱい流れて・・・
そして、怖くて・・・引き金を引いた。
弾は、あなたの右の胸元へとあたった。
コロシタ・・・ボクガ・・・コロシタ・・・ボクガ
ダレガオルガヲコロシタ?・・・・ソレハ・・・ボク・・・
「あ・・・いやだ・・・うわあああああああああ!!!!!!!オルガ!!!!」
ハっと我に帰って、僕はオルガに駆け寄り、オルガを膝に起こした。
「オルガ!オルガ!!!オルガ!!!!!!」
「・・・く・・・ロト・・・」
「あ・・ふぇ・・・っくう・・・ごめなさ・・・ごめんさぁい・・・
僕が・・・僕が・・・君・・・を・・・」
「泣くな・・・バ・・・カ・・・」
視点が合わない、オルガの碧の目は僕を探していた。
でも、オルガの手は、僕の頬をそっと撫でた。
僕は、涙で視界がにじんで、オルガの顔が見えなかった。
オルガは、ふわりとやさしい笑みで笑った。
「・・・ゴメ・・・な・・・俺・・・おまえに・・・嘘つい・・った」
「ちが、いいの!!僕が・・・僕が・・・悪いの!!
あのとき・・・・言わなかったから、だったら、オルガはこんなことしなくてすんだ!!!」
「バ・・・カ・・・いい・・・だ・・・どうせ・・・俺も死ぬ寸前・・・だった・・・から・・・
最後に・・・おま・・・えに・・・殺されて・・・よかったし・・・
おま・・えの顔を・・・見れて・・・しあ・・・せだっ・・・・・・・・」
「・・・・・・・・あ・・・・やぁ・・・やだよ・・・
オルガ・・・オルガ!!!返事してよ!!オルガアアアア!!!」
するり・・・君の手は僕の頬から抜けて、ゆっくりと地面に落ちた。
そして、深い眠りについたあなたは、目をゆっくりと閉じた・・・・
僕は・・・もう、叫ぶこともなかった。けれど、涙は止まらなかった。
自分の手に握っていた、黒い塊・・・
それを再び、頭にあてた。・・・冷たい冷たい鉄の塊。
さっきまで震えてた手は、もう震えてなかった。
そして、死の恐怖もなくなった。
今感じるのは・・・冷たい・・・冷たい・・・感触だけが伝わった。
僕は壊れた人形のようになった。
僕はオルガを見て、ゆっくりと言葉を発した。
「待っててください・・・今・・・会いに行きます。
あなたと2人で・・・このまま消えてしまおう・・・今、あなたの体に溶けて1つに重なろう・・・」
そう歌った。
そして、ゆっくりと引き金を引いた。
バタリ。
僕は、オルガと重なるようにして、オルガの体の上に倒れた。
人間ってものは、卑怯で、いつも後悔してて・・・
人生どこで間違って、こんなところに来たんだろうって思う・・・
僕もそう思った。なんで、僕はここに居るの?
何で、オルガはここに居るの?
偶然と必然が混ざり合った、この世界で・・・生まれ変わったら・・・
また、あなたに会えるかな??
偶然と必然で会える?
どうでしょう?オルガはどう思う?
ねえ・・・あなたの声を聞かせてよ。
僕・・・生まれ変わっても、僕のままがいい。
ふんわりした、ベッドで目が覚めたら、また僕になってて、隣では君が
当たり前のように眠ってて、起きたらにっこりと笑って、キスしてくれるの。
今度は・・・平和な世界で生まれたいね。
オルガ・・・
でもね、今はもう少しだけ、2人で眠っていようよ。
あなたと2人で消えてしまおう。この世界から・・・
オルガ、痛かったよね?ごめんね・・・。
そう、また後で言うね・・・。
あなたと2人で消えてうれしいよ。
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「オルガ!クロト!・・・・・あ・・・・」
固まった。
俺の体が・・・固まった・・・。
オルガと会話してから、2時間経った。
あまりにも心配になって、展望室に走って行くと、そこには2人が赤い液体を流しながら
倒れていた。
「・・・やっぱり・・・こうなるんだね・・・」
俺はトボトボと二人のところに向かった。
そして、そっと、クロトの体に触れた。
クロトは・・・もう冷たかった。
クロトの手にはピストルがぎゅっと握られていた。
何があったのかは、大体予想がついた。
死んですっごいショックなのに、オルガとクロトはどこか幸せそうだった。
なんか、開放されったって感じみたいに・・・。
「本当に・・・俺一人になったじゃんかよ・・・バカだよ・・・本当・・・」
そう言って、俺はしばらくの間、ここに居た。
それから、おっさんとか、兵士が駆けつけて、この2人を見て、目を丸くさせていた。
そして、おっさんは、俺にいっぱい質問してきた。
おまえが殺したのか?
どういうことだ?
っと・・・けど、俺は答えなかった。
だって、俺はわかんないから・・・。
そう・・・わかんないだけだから。
わかんない・・・わかんない。
俺には、そんな感情ないから。
でも・・・今度生まれ変わるなら、2人が幸せになってほしいと・・・・思った。
★☆感想☆★
やっと完結しました^^
今まで、連載小説って言ったら、長いのしか書いてなかったんですが
だいぶ短い連載でした。しかも、オルクロってことで、かなり気合が入って
最後は、圧縮した形になってしまいましたが、まあがんばって書きましたよ!
今回初めてHAPPY ENDじゃない作品になったんですが
もともと、ジュディマリの曲の「lover soul」を聞いて考えたやつなんで
HAPPY ENDじゃないです。この曲もHAPPY ENDじゃないのでね。
ってなわけで、今までご愛読ありがとうございました^^
2006年7月16日 完結 さおり。
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