市丸隊長が、最後にあたしに会ったのは
粉雪がちらつく、夜のことでした。






 粉雪






「やっほーちゃん」



「市丸・・・隊長・・・」





市丸隊長に呼び出され、あたしは市丸隊長の部屋へ来た。


市丸隊長は、ろうそくを机の上に置いて、窓辺に行き

椅子に座って、窓の外を見ていた。





「隊長・・・何か御用でしょうか?」



「ん?別に用はないねんけどなー・・・なんとなーく、ちゃんと一緒に居たくて

呼んでんけど、もしかして、寝てた?」




「はい・・・」




「いやーごめん、ごめん。寝たかったらここで寝てええから、今日は僕のそばにおってくれる?」





なんだか、今日の隊長は変だ・・・とあの時、あたしは思った。


隊長は、たまに、こうして『なんとなーく一緒に居てほしいねん』と言って

夜遅く起こされることがある。



途中で眠たかったら、隊長の部屋で寝るけど、別に体の関係とかはないから

全然安心出来る。





でも、いつもなんであたしを呼ぶのだろうと思う・・・






あたしを部屋に呼ぶときはかならず、市丸隊長は切なそうな表情をしている。

と言っても、表情はいつもと同じで、何を考えてるかわからないけど


いつもの笑みが切ないように見えるの。






「隊長・・・」



「んー?何?」



「わたしも、隊長と一緒に窓の外の景色見てもいいですか?」





「ええよ、こっちへおいで」






隊長は、あたしを招いて、なぜか、隊長の膝元に座らされた。




「あのー・・・隊長?あたしは、隊長の膝の上に座るなんて一言も言ってないんですけど・・・」



「ええやん。こっちのほうが見やすいやろ?」



「・・・・」




セクハラですか!?と言いたいが、しょうがないので

黙っておくことにした。




「なーちゃん」



「はい?なんでしょうか?」




隊長は、あたしを後ろから抱きしめるような体勢になって

あたしの背中に顔をうずめた。




「隊長?」



やっぱりいつもの隊長じゃないと、思った。




ちゃんは、窓の外に振ってる粉雪見て切なくならへん?」



「粉雪ですか?」




外にはちらちらと粉雪が舞っていた。

粉雪は地面に落ちたら、すぅっと解けて消える・・・


まるで、あたしたち死神のような命のように思える。

死神は、虚と戦ったりするが、それで命を落とすことがある。


死神はいつも死と隣り合わせだから、こうしていられるのも

今だけかもしれない・・・。



なんだか切ない・・・。





「切ないですね・・・」


「・・・・・・・僕・・・・怖いねん・・・」



「え?」




「・・・死ぬことが怖いねん・・・」



「隊長・・・」





いつもの隊長とは違う・・・



あたしは、あまり隊長のこと知らない・・・


でも、隊長はいつも冷酷な笑みを見せてて

冷酷な人間に見えるけど、本当はとてもやさしい心の持ち主で


本当はとても臆病な心の持ち主だと思った。





「そんなの、誰だって同じですよ・・・」



「?」



「わたしだって、死ぬのは怖いです・・・」




ちゃん・・・」




「大丈夫です。隊長はそんな簡単に死にません・・・だって隊長に上り詰めた人が

そう簡単に死ぬわけないじゃないですよ!大丈夫です・・・大丈夫ですから・・・」





「・・・っ・・・ありがとう・・・ちゃん・・・・」




あたしは隊長の手をぎゅっと握った。


隊長はあたしをぎゅっと力強く抱きしめてくれた。



あたしの背中に顔をうずめてる隊長の

瞳から、暖かい涙が数的流れていた。



隊長はこのときだけ、声を押し殺して泣いていた。


涙を流して・・・







「ほんま・・・ありがとう・・・・・・・・・」






それからしばらくして、あたしは眠ってしまった。


隊長は、あたしを布団に寝かし、あたしの頬を撫でた。





「ありがとう・・・ちゃん・・・これで僕も行く決心がついたよ。

ありがとう・・・ちゃん・・・・ほんまに・・・ありがとう・・・」





そう言って、あたしの唇に自分の唇を重ねた。











ギンちゃん夢ですが、かなりギンちゃん弱いです(苦笑)

こんなのギンちゃんじゃねえよ、なんて内心思ってしまいましたが

書いちゃいました。

ギンちゃんファンには本当にごめんなさい!

ギンちゃんでは無くなってしまいましたが、どうかそこだけはスルーしてください・・・



あとこの題名はレミオロメンの粉雪からとりました。

粉雪大好きですv














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