ホコリまみれの古いアルバムの1ページへ逃げたくなる自分が居た。
そこには、とても楽しそうに写る俺とおまえが写っていた。

おまえ・・・はとても嬉しそうに笑って
可愛らしくピースをして、俺の手をぎゅっと握っていた。
俺は恥ずかしくて、顔を赤くしながらカメラから目線を外していた。


この写真は中学3年と俺とおまえの写真だった。
このときの俺たちは何も知らずに無邪気に笑っていただけだった。






中学の卒業旅行で、俺とは同じ班になった。
当時俺たちは付き合っていて、当然2人とも嬉しいわけで・・・
特には、俺よりもはしゃいでいた。

ピョンピョンと飛んで、俺に抱きついた。


『いっちご〜〜!!あたしたち、同じ班だよ〜〜♪♪
やったね☆もうちゃん嬉しいしvv』

『おまえは、はしゃぎすぎだっつーの』

『な、別にいーじゃん!だって彼氏と同じ班とかそうにはないよ!
それとも一護は彼女のあたしと一緒の班なのに嬉しくないの?』

『な!?んなことねえよ。ってかむしろ嬉しい////』

『だったら、もうちょっとはしゃいで嬉しがりなよね』



ピンとデコピンをされて、少しおでこに痛みを覚えながら
はしゃぐを見て、自然と笑みがこぼれた。


修学旅行へ行くと、「夜の散歩」という企画があって
俺たちが泊まっている田舎の宿舎の周りの小道を歩くというものだった。

周りは星空が広がり、明かりも何一つもない場所で
ある意味『何かが出そう』な感じの場所だった。
けれど、田舎の星空はとてもキレイで眺めているだけでロマンチックだ。


そして、それは男女一人ずつになり歩くものだった。
まあそれはくじ引きで決めるやつだったが、元々くじ運がイイ俺は
と同じになった。



で、2人で夜の道を歩いたのだった。
俺は、しっかりの手を握り彼女のペースで歩いた。
の目には幾億の星空を映していた。



『うっわーー・・・すっごいキレイ!やっぱさ、カラクラからみる星空とは
全然違う星の数だよね・・・。なんかロマンチックー!』

『ハハ、そうだな。やっぱここは田舎だからな。
なんか星が近くねえ?』

『言われて見れば・・・そうかも!だって、都会だと結構遠くに星がある感じだもんねー・・・
田舎だとさ、ほら!手の中に星が埋まるよ!』


は、グーパーっと繰り返し
手のひらの中に星をたくさん掴んだ。

俺もと同じように星をたくさん掴んだ。
けれど、星は近くて遠い存在。
掴むことは出来ない。でもそれが楽しくてしばらくの間2人とも立ち止まって
そんなことをしていた。




『なんか、こうしていると本当に幸せな気分になれる。
・・・・ね、一護・・・』

『ん?なんだ?』

『・・・・ここでさ、・・・キス・・・して?っとか言ったらダメ?』

『!?な////キス?』

『うん////だって、あたしたち1度もキスは・・・したことないでしょ?
だから・・・ダメ??』



の突然の発言に俺は、ビックリして
顔を赤らめた。は恥ずかしがりながら、もごもごと小さく呟く。
いつもの元気なとは違い、少し甘えた声で言う彼女に俺の理性は飛ぶ寸前だった。

上目遣いで大きな瞳で見つめられたら
完全にOKというのが男だろうが!


俺は『いいよ』っと言うと、はそっと目を閉じた。
それが合図とばかり、俺はゆっくりと彼女の唇に自分の唇を重ねた。
一瞬のことで、俺はあんま覚えていないがはじめてのキスの味ってーのは
あんま、覚えないのが普通だな。


その後すぐに唇を離すと、は顔を赤らめながら
『ありがとう』っと照れくさそうに言った。
俺は、の手を握りながら、そのまま宿舎へと戻った。




それから時が経って、俺たちは受験を終え無事・・・高校合格をした。
は、隣の県内の有名女子校に通うことになり、俺はカラクラ高校に入学が決定した。

は県内の女子校に行くので、高校に入ると同時にお互い会う時間が
かなり減ってきた。
土曜日はは学校・・・そして、俺は5月には死神であるルキアから
死神代行を頼まれ、死神になり・・・毎日虚を倒すのが日課になっていた。



そんなある日・・・。




から1本の電話をもらった。
俺の携帯から、の着信が鳴った。


それは昼の13時30分・・・
俺は、ちょうど部屋でくつろいでいて、携帯を取った。


『ハイ。、どうした?』

『・・・護・・・いち、ご・・・・』

『?、どうした?なんかおまえ・・・変だぞ』


電話越しからは、いつもの高い声のとは違い
今は、とても低い声でしかもなんだか震えていた。

なんだか嫌な予感がした。


『ど、しよ・・・あたし・・・いち、ごぉ・・・あたし・・・















死んじゃった』


















『!?』





俺はビックリして、飛び起きて・・・
冗談だろ・・・っと心の中で思った。

というか・・・なんでが死んだのか・・・
そんなの全然分からないし、というか・・・絶対に冗談だと信じた。


『どういうこと、だ?ってか、そんな変な嘘つくなよ。
演技でもねえ・・・』

『ち、違ぁ・・・・だって、だって・・・あたしの目の前には・・・
自分の死体が転がっていて、あたしはそのそばで泣いてるんだもん・・・・』



それを聞いたとたん、頭が真っ白になった。
そして、の元へ行かないと・・・と頭の中でよぎったのだった。



『ルキア!!!!!』

『なんだ、一護?そんな大声を出して・・・聞こえてるぞ・・・』

『頼む!俺を死神化してくれ!大至急だ!用件は後で言う!』

『!あ、あぁ!わかった!』



ルキアは、俺の焦り具合にかなり動揺していたが
すぐに手袋を装着して、俺を死神化した。


死神になると、俺はとっさに窓から飛び出し携帯を片手に
の元へと駆け出した。



『!待ってろ!今行くから・・・だから・・・だから!!』













現場に着くと、周りには人だかりが出来て
警察が人を抑え、黄色のテープを貼っていた・・・。
そこは、道路のど真ん中だった。
道路は大き目のTカーブのもので、たくさんの交通量が通るところだった。



『!!どこだ!?』

俺は無我夢中に、黄色のテープの中に入り、人をかきわけて
を探した。





そして、見つけた。
道路の真ん中に、赤い大量の血を流しながら、ぐったりとしている・・・。
そして、その横でずっと泣きじゃくっている、魂だけとなったを・・・。


『嘘・・・だろ・・・なんで・・・こんな!っくそ!』

『ふぇ・・・っく・・・あ、いち、ごぉ・・・』


俺は泣きじゃくるに駆け寄り
をきつく抱きしめた。


は俺の霊感が強いことは知っていた。
けれど、俺が死神になったのは知らなくて、なぜ俺がこんな格好で居るのか・・・
不思議に思っただろうけど、彼女にそれを言う余裕はなかった。



『・・・いちご、どうしよ・・・あたし、あたし死んじゃった!!!』

『・・・・・・大丈夫だから、落ち着け・・・、大丈夫だから・・・・・』

俺はまるで自分自身に言い聞かせるように
何回も何回もそう呟いて、の震える背中を撫でた。


の目からは大量的に涙が流れて、そして・・・震えていた。
もう、彼女が生き返ることは決してないだろう。


ぐったりとなっているの遺体には、大量の赤い血が飛び出ており
も、もう助からないのだと思ったんだろう。
だんだんと、落ち着いてきたは、なぜ彼女が死んだのかを教えてくれた。



『あたしね、ここいつも学校から帰る道なの。
それで今日も友達と帰ろうとしていたとき、友達がね信号が青になって先に信号渡っちゃって・・・
あたしも渡ろうとした時に突然、Tゾーンから信号無視をしてきた車にね・・・はねられたの。
宙に浮き上がった体が、地面に叩きつけられてあたし・・・意識なくなって・・・
気がついたらこういう状態になってた・・・』



『・・・・うん。』

『あたしね、まだ生きたかった!もっともっと、生きて・・・あたし
一護ともっと、もっと一緒に居たかった・・・でも!』

『・・・もう、言うな、・・・』

『一護・・・!』

『俺だって・・・おまえが死んだなんて絶対に信じたくねえ!
今だって嘘だって否定している。これが夢ならってすっげえ思う・・・
・・・俺もおまえのそばにいたかった。もっと、もっと・・・
おまえを離したくねえ!!出来ることなら・・・こうしてずっとおまえの傍にいたい・・・
でも・・・それが出来ないんだ・・・・』

『・・・そんなの・・・やだよぉ・・・一護の傍にいたい・・・
あたし、もっともっと一護の傍にいたいよ・・・・』


俺は泣きじゃくるの目尻を手で拭き
またきつく彼女を抱きしめた。
これが・・・・最後なんだ、彼女を抱きしめるのが。


感触はないが、はっきりとわかる
のあたたかな温もり。
そして、の目尻から、鼻、唇へとキスをしていった。
こうしてキスをするのも最後なんだと思うと、胸がかなりしめつけられた。



そして、唇にキスをしてそのまま自分の舌をの口内に入れた。
は苦しそうだが、必死に俺の舌を絡めた。


『ん・・・ふぁ・・・いち、ご・・・ぁ・・・』

『・・・愛してる・・・』

『んぁ・・・あたしも・・・愛してる』


そっと離した唇だがの唇が愛しくて
もう一度軽くキスをした。


『思ったけど・・・こんなキス・・・初めてだね////』

『そうだな///』


俺は苦笑しながら、そっとの頭を撫でた。
は、少し落ち着いてぽんと俺の肩に自分の頭をあずけた。
ゆっくりと閉じられた目・・・はそのまま眠るように意識をなくした。



今のうちに、を・・・・ソウルソサティというところに送るか。
送りたくない・・・そう思った。彼女を離したくない。
出来るなら、このままどこかに魂だけでも隔離しておきたい・・・・。


だけどそんなことをすれば、が苦しいだけで
そのうち、彼女が虚になって俺に牙を向く・・・そんなことを思っただけで
すごく切なくなる。


だから、そんなことにはならないようにと
俺はゆっくりと刀を取り出した。


『・・・。ごめんな』

『え?一護??』



そのままコツンと冴でのおでこへと押し当てた。
すると、そのままの体はすぅっと透けだした。



『一護?何、これ?どういうこと?』

『、今からおまえはソウルソサティっつーところで
暮らすんだ。そこは天国みたいなところでな・・・おまえみたいな魂が集められる場所なんだ。』

『っそっか・・・・じゃあ、あたし天国に行くんだね。
仕方ないか・・・死んじゃったんだもんね・・・まだ生きれないことにはかなり悔いがあるけど・・・
一護を見守ることが出来るなら・・・いいかな?それに、一護は霊感強いし・・・
たまには、化けて出てやるよ〜』

『げ、それは・・・困るな;』

は、ニコっと笑った。
彼女の笑顔を見たのはかなり久しぶりで、少しだけ・・・いつものに戻ったと思った。
俺も、つられて笑った。
だんだんと透ける彼女の体をもう一度抱きしめた。


『、もう一度キスしていいか?』

『・・・・ん、しゃーない、じゃあこれが最後だよ?』


俺は、そっとの唇に自分の唇を重ねた。
今度は、長く・・・いつまでも・・・・。
すぅっと消えていくを抱きしめながら、彼女は・・・・消えていった。



『・・・・・・・・・・・』

俺の手には、まだ彼女の温もりが残っている感じだった。
そっと彼女を抱きしめていた手を見つめながら、俺はユラリと立ち上がり
そのまま家へと引き返した。



その後、を引いた犯人は飲酒運転をしていたことが分かり
懲役20年の刑が下された。
俺は、の両親に会い葬儀に参加させてもらい、彼女の墓にも何回も訪れた。




その事件から2年が経った今日のこと。
俺は今大学1年になり、一人暮らしをするために部屋を片付けていた。


「ったく、なんでこんなにガラクタが多いんだ、この部屋は!」

「一護、それを言ったらダメだぜーー」

「黙れ、コン。てめえ・・・踏み潰すぞ」

「あ、ごめんなさい;」


俺は、コンを睨みながらダンボールにいろんな本などを
入れたりしていた。
そのとき、目の前にホコリまみれの古いアルバムを見つけた。



「ん?なんだ、これ?・・・すっげえホコリだ!ゲホ、ゲホ!」

コンは、不思議がり俺の肩に飛び乗ってきた。
俺は、無言でアルバムの1ページをめくった。



そこには、カメラ目線で可愛くピースをしている女の子と、まだ少し幼い
照れくさそうな俺が写っていた。


「な!?これって、おまえ中学のときの一護か!?
アハハ、すっげえ幼いな〜〜!!マジおもしれえ!!!!!
しかも、この隣に写ってる子すっげえ可愛いじゃん!誰だよ〜〜??」

「・・・・。元カノだ。」

「げ!?マジかよー・・・おまえ、こんな可愛い子が一護を好きになる!!??
絶対にありえねえ!!ってか、マジこの子可愛いvvv今どこに住んでるんだ??
ってか、何で別れたんだよ??」


コンの質問攻めにいつもの俺なら、キレるとこだが
なんだか、キレる気力もなくてただただ、無言でアルバムを見ていた。


「一護?どうしたんだ?」

「・・・・・なんでもねえよ。は今・・・俺が前に行ったとこに住んでるよ」

「あ?それどこだ?」

「・・・・なんでてめーにそこまで教えなくちゃなんねーんだよ。ひみつだ、ひみつ」

「いててて!やめろよ、一護!!」


俺は、コンの頬をブニブニとひっぱると
コンはかなり痛がった。
俺は、ハハっと笑いながらもう一度アルバムに目を向けた。



そこには、笑顔で笑うと、幼い俺が写っていた。
この頃は本当に楽しかった。
でも、今も俺は楽しい・・・この高校3年間でかなりの仲間が増えた。
そして、今の大学でも仲間が居る。


ただ、いつも思うのはが俺の隣に居ない・・・ただそれだけだ。
それがむなしくて、が居たらと何度思っただろう。
でも・・・・おまえも進んでるんだよな。前に・・・・・。


だから、俺も前に進む。
おまえの分と同じくらいに・・・・
なあ、・・・おまえもソウル・ソサティで元気にしてるよな?

俺も元気にしてるから。
だから、お互いに前に進もう・・・




そして、俺は今でもおまえのことが好きだぜ。
アルバムの中で 僕らは笑っていた

(うわ・・・かなり長くなった〜。でも久々に一護の夢を書いたので楽しかったですv)
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