「おまじない」
「あー・・・ダルイ。」
「な〜にが、ダルイんだ〜〜??く・ろ・さ・き〜」
「うわ!?先生・・・」
5時間目の現文の授業。
昼飯を食った後で、眠さがかなりきていて、本を開け、ノートを見たが、自分の汚い字に
ノートを書く気もうせていた。
だから、ついつい「ダルイ」っと言葉を出すと、地獄耳の担任がチョークで黒板を書いていたが
ピタリと、チョークを動かす手が止まり、にっこりとしたつくり笑いが俺に向けられた。
「な〜にが、ダルイんだ??あれか?あたしの授業がダルイのか?」
「あ・・・いや・・・ちが・・・」
「そ〜か、じゃあ黒崎の点数は−50点だな。」
(鬼だ・・・こいつ、鬼だ・・・しかも、小さな声で言ったのにー・・・
地獄耳だ・・・)
俺は、また授業を始めた担任を睨んで、ため息をついて、シャーペンをふでばこから
取り出し、ノートをとろうとした手が、また止まった。
(そういやー、このシャーペン・・・あいつの・・・)
自分のふでばこに入っていた、可愛らしいハートの柄がついている、シャーペンは
あいつのものだった。
俺の席の斜め後ろの女の子・・・
のものだった。
このシャーペンは前に一度、に俺が放課後勉強を教えていたときに
が使っているやつだった。
『そのシャーペン、可愛いな』
『そうかな?中1のときに買ったやつなんだけど、かなりのお古なんだよ。』
『へー。まあ、お古でも使いやすかったらいいよな』
俺は、シャーペンを手で回しながら、言った。
そしたらはうれしそうに、話した。
『でも、このシャーペン愛着あるんだー。この高校の入試のときに使ったおまじないのシャーペンなの』
ふふっと笑った、は太陽のようにまぶしくて、可愛い笑顔だったことを覚えてる。
それが、いつの間にか俺をドキドキさせていて、俺は夕暮れの教室の中で、顔を赤く染めたっけ。
それにしても、何でのシャーペンが俺のふでばこに?
間違えて入れたのか??
首をかしげて、斜め後ろの席にいるの方に振り向くと、は授業のノートを取っていたが
俺の視線に気がついたのか、こちらを振り向いた。
ドキリ。
また心臓が高鳴った。
まったく、前と同じ心臓の高鳴り・・・そして何故か顔が赤くなり、俺は下にうつむいた。
「おーい、一護、どうしたの?」
「え・・・あ・・・」
小声で話すに、俺はもう一度彼女に目線を向け、そっと彼女の机にシャーペンを置いた。
「あ、これ」
「なんか、俺のふでばこに入ってた。おまえ困ってただろ?」
「ううん。というか、あたしがわざと入れたから」
「は?なんで?」
俺は、首をかしげると、はクスクス笑って、「おまじないだよ」っと言った。
「おまじない」?なんのまじないだ??
ますますわけがわからなくなって、俺は?マークを浮かべながら前を向いた。
「おまじない」
そう言った彼女の笑顔と、おまじないのことが気になって、俺はその日の授業が
一切手につけられなかった。
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