少し早い クリスマスプレゼント
「・・・・なんで、こうなるかな?」 「あぁ?」 「・・・・別に・・・・」 放課後。 黒崎に僕は数学を教えていた。 だいたい、黒崎は僕に説明なんか聞かなくても、わかるはずなのに・・・ なんで、今回だけは・・・黒崎・・・数学できないんだ?? 「いや、だから・・・SinAはこうで・・・」 「こうか?」 「違う!さっきから、何回も説明してるだろ?だから、SinAは・・・」 「わっかんねえよ!だいたい、俺・・・三角比はキライなんだよ」 「・・・知らないよ、そんなこと」 「てめえ・・・」 黒崎は、ムっとした表情で、僕を睨んだが そのまま、問題を解いた。 時刻は午後4時30分 もうそろそろ、部活に行かないと・・・ そう思った僕は黒崎に話しかけようとしたとき、問題と戦っていた 黒崎が、シャーペンを机に投げ出した。 「黒崎?」 「・・・なあ、石田・・・」 「ん?」 「・・・おまえさ、今から部活行くんだよな?」 「え・・・あ、うん・・・そうだけど・・・(何で僕が思ってることをわかったんだ?)」 「そっか、じゃあ俺も帰るわ」 「うん、あ!ごめん・・・数学・・・」 「いいって、別に・・・家帰ってもう1回しとくわ」 「うん。また分からなかったら、電話でもしてよ。教えるから」 「センキュー」 そんな会話をしながら、僕が帰る準備をしていると 黒崎の手が、帰る準備をしている僕の手を止めた。 「黒崎?」 黒崎は、ニっとイジワルな笑みで笑うと、そっと僕の耳元で呟いた。 そして、彼の唇が離れると、僕は目を見開いて顔を赤く染めながら、黒崎を見た。 何を言ってるんだ・・・君は!? 「な?いいだろ?」 「・・・嫌だ・・・」 「いいじゃねえかよ。別に高いものを買ってくれって言ってるわけじゃねえし」 「だからって・・・・・わかった・・・」 「センキュー石田」 黒崎はうれしそうに笑うと、僕ははぁっとため息をついて 「じゃあ」っと言って僕は教室を後にした。 教室を出て、家庭科室へ向かう途中、僕は足を止めた。 そして鞄の中に入ってあるものを取り出した。 ピンク色の紙でキレイにラッピングされたものを見て、僕は今日何度目かのため息をついた。 (渡そっかな・・・) 黒崎に、さっき耳元で言われたものがすでにこの中に入っている。 『クリスマスプレゼントにマフラーがほしい』 そう言われた。 黒崎はこの12月の冬なのにマフラーをしてきてないのを、知っていたから プレゼントに渡そうと思ったのに・・・。 まだクリスマスまでは早い。 けれど、黒崎は朝とか首本寒そうだし・・・。 やっぱり、早くてもいいよね。 今日は12月の中旬。 まだ、24日にはなっていない。 けれど、プレゼントを渡そう・・・ 早めの、早めのクリスマスプレゼントを。 「黒崎ッ!!」 「あ?石田、どうしたんだ?」 教室へと全力疾走で走っていくと、黒崎が教室の鍵を閉めているところだった。 黒崎は「何、息切らせてるんだよ?」っと驚きながら言ってたけど 僕は、息をするのが精一杯で何も話せない。 「はぁ・・・はぁ・・・これ・・・あげる・・・」 「え?あ・・・なんだ、これ?」 「はぁ・・・はぁ・・・少し早めのクリスマスプレゼント。 君がほしがってた、マフラー・・・っ・・・もともと・・・作ってた・・・はぁ・・・ さっき、渡そうと・・・思ったけど・・・・渡せなかったからッ。」 片言でしか、話せない僕に黒崎はクスっと笑って 背中をさすってくれた。 「これを持って来てくれるために、全力疾走してきたのか?」 「う・・・ん。はぁ・・・。ありがとう。もう大丈夫」 息があがらなくなり、僕はふぅっと息をついた。 その間に黒崎は、ラッピングしてあった袋を開けると僕が黒崎のために作った 紺色の毛糸で編んだ、マフラーを取り出した。 「へー、結構暖かそうだな。石田、ありがとな。」 「・・・うん。別にいいよ////」 黒崎は、うれしそうに僕のマフラーをつけて そっと僕の頭を撫でた。 「あったけえ。これで朝も寒くねえな。」 「それはよかった。じゃあ、僕もう行かなくちゃ」 「そっか。じゃあ、クリスマスプレゼントの仮を今やるよ」 「仮??」 きょとんっとしながら、僕は首をかしげると おでこにそっとキスをされた。 「!?」 「じゃあ、俺からのプレゼントは24日にな。」 「え、あ・・・これが仮?」 「そう、仮とまあ、マフラーのお礼な」 黒崎はそう言うと「じゃあな」っと言いもう一度だけ僕にキスをして 教室を後にした。 僕は顔を真っ赤にしながら、とぼとぼ歩き家庭科室へと向かった。 仮のプレゼント・・・未だにおでこに残る、彼の唇の感触がますます僕の顔を赤くさせた。 END
2style.net